2025 / 09 / 17 小児科 小児科外来|鼻へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」について
鼻へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」について
※ 長文ですが必ず最後までご確認ください
「フルミスト点鼻液」
▷ 特徴
〇鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。
〇注射の必要がありません。
〇1回の接種で両鼻に1回ずつ噴霧して終了です。
〇日本では昨年発売ですが、海外では長らく使用されているワクチンです。
〇効果は注射とほぼ同等とされています。
〇生ワクチンですが他のワクチンとの接種間隔に制限はありません。
〇2-18歳の方が対象となりますが供給が不安定なため、今年は中学生までとさせていただきます。
〇目立った副作用としては、鼻水、鼻づまり、咳、喉の痛みなどの「かぜ症状」があります。
特に注射が苦手な方、ワクチンで強く腫れてしまう方、1回で済ませたい方におすすめです。
▷ 日程
11月中旬までに終了予定です。火曜日、土曜日に専用枠を設けます。
※注意事項
〇注射ではありませんが、注射器のような容器で両鼻に噴霧します。
嫌がって激しく泣いてしまい大量に鼻水がでるような場合は十分な効果が得られない可能性があります。
再接種はできませんので、あらかじめご家族でしっかりご検討ください。
〇軽い鼻炎程度であれば鼻をかんだ後、通常に接種可能です。
〇生ワクチンのため軽いインフルエンザ症状が出ることがあります。
他のワクチンでもそうですが、大事な行事の前などは避けるようおすすめします。
〇水平伝播する可能性があるため重度の免疫不全者との接触は接種後1-2週避けてください。
身近にいる場合は注射タイプをおすすめします。
〇接種後数週間はインフルエンザ抗原検査が陽性となることがあります。
1か月以内に熱などで受診の際は必ずお伝えください。
〇インフルエンザ治療後は効果が弱まります、治療薬によりますが、特にイナビルやゾフルーザ使用後は17日間あけることをお勧めします。
▷ 接種を受けることができない方
〇発熱している方
〇重い急性疾患にかかっている方
〇ワクチン成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
〇免疫機能に異常を伴う疾患をお持ちの方、免疫抑制をきたす治療をうけている方
〇経口、または注射の副腎皮質ホルモン剤を使用している方
〇妊娠中の方
〇その他、医師が不適当と判断した方
重度のゼラチンアレルギーを有する患者、免疫不全患者、無脾症患者
ミトコンドリア脳筋症患者、中枢神経系の解剖的バリアーに破綻がある方など
▷ 相談が必要な方
〇喘息の診断を受けている方、または喘鳴の症状がでやすい方
⇒基本は注射タイプを推奨します。
5歳以上で1年以上おちついている場合は接種可です
〇重度の鶏卵、鶏肉アレルギーの方、ゼラチンアレルギーの方
〇心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患など基礎疾患のある方
〇過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
〇サリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を服用している方
(川崎病などで服用することがあります)⇒ その際は主治医にご確認ください
〇その他、医師が相談が必要と認める者
当院での方針は、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会の
「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」を参考にしています