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【医師監修】無痛分娩で赤ちゃんに影響はある?「お産が長引く」「吸引になりやすい」って本当?知っておきたいリスクと安全性

「無痛分娩にしたいけれど、麻酔の薬が赤ちゃんに影響しないか心配…」 「ネットで『お産が長引く』『吸引分娩になりやすい』と見て、迷っている」 痛みを和らげたいという気持ちの反面、大切な赤ちゃんに何かあったら…と不安になるのは、あなたが母親として赤ちゃんを第一に考えている証拠です。 結論からお伝えすると、無痛分娩(硬膜外麻酔)はお腹の赤ちゃんに直接的な悪影響を与えることはなく、非常に安全性の高い出産方法です。 しかし、医療行為である以上、「お産の進み方」には自然分娩と少し違う特徴(リスク)が出るのも事実です。 納得して無痛分娩を選ぶために、赤ちゃんへの影響と、知っておきたい本当のリスクについて産婦人科医が解説します。
1. 最大の不安「麻酔薬は赤ちゃんに届くの?」
「ママに麻酔を使ったら、へその緒を通って赤ちゃんも麻酔で眠ってしまうのでは?」と心配される方がとても多いです。
無痛分娩で主流となっている硬膜外麻酔(こうまくがいますい)は、血管(血液の中)に直接薬を入れるわけではありません。背骨の中にある硬膜外腔という神経のそばに薬を入れていきます。
そのため、ママの血液を通って胎盤から赤ちゃんへ移行する薬の量はごくわずかです。赤ちゃんが麻酔の影響でぐったりして産まれてくるようなことはなく、自然分娩と同じように元気な産声を上げてくれますので、どうか安心してください。
2. 「お産が長引く」のは本当?
これは本当です。自然分娩に比べて、お産にかかる時間が少し長くなる傾向があります。
■ なぜ長引くの?
痛みを和らげる麻酔が効くと、ママの骨盤周りの筋肉もリラックスして緩みます。同時に、陣痛も弱まることがよくあります。
また、痛みが少ない分、いきむ(力を入れる)タイミングが分かりにくくなるため、赤ちゃんが降りてくるのに時間がかかるのです。
■ どうやって対応するの?
陣痛が弱まってお産がストップしてしまった場合は、陣痛促進剤の点滴を使用し、赤ちゃんを押し出す力をサポートします。無痛分娩と陣痛促進剤は、安全なお産のためのセットになることが多いと考えておいてください。

3. 「吸引分娩」になりやすいって本当?
こちらも本当です。無痛分娩では、最後に器械の力を借りる吸引分娩や鉗子(かんし)分娩になる確率が、自然分娩よりも高くなります。
■ なぜ吸引が必要なの?
お産の最終段階で、ママがいきめなかったり、お産が長引いて赤ちゃんが少し疲れてきたりした場合に、ママの力だけで産むことが難しくなることもあります。
■ 吸引分娩は危険なことではありません
「頭を引っ張るなんて怖い」と思われるかもしれませんが、吸引分娩は赤ちゃんを安全に、いち早く外へ出してあげるための産婦人科における標準的で安全なサポート技術です。
4. ママの体に起こるかもしれない副作用
赤ちゃんへの影響は心配ありませんが、ママの体にはいくつかの一時的な副作用が出ることがあります。
- 下肢の感覚が鈍くなる: 歩くと転倒する可能性があるため、ベッドの上で過ごしていただきます。
- 血圧が軽度下がる: 麻酔の影響で血圧が下がり、気持ち悪くなることがあります(点滴で水分を補給し、血圧をコントロールします)。
- 体温が上がる(発熱): 麻酔薬の影響で、ママに熱が出ることがあります。
- 皮膚のかゆみ: 麻酔薬の影響で、一時的に体がかゆくなることがあります。
これらはすべて想定される反応です。当院では、麻酔科医と産婦人科医が連携し、24時間体制でママの血圧や体調を細かく管理しています。血圧低下などがあればすぐにお薬や点滴で対応できるため、過度に怖がる必要はありません。

まとめ:リスクを知ることは、一番の安全対策です
無痛分娩には「お産が長引きやすい」「吸引になりやすい」といった特徴があります。しかし、それは赤ちゃんへの障害といった危険なリスクではなく、お産を安全に終わらせるために、医療のサポート(促進剤や吸引)が追加になりやすいという意味です。
医療介入が必要になる可能性があるからこそ、いつでも迅速に適切な処置ができる24時間体制の病院を選ぶことが、最大の安全対策になります。
痛みを我慢してパニックになるよりも、リラックスして医師とコミュニケーションを取りながらお産に臨める無痛分娩は、ママと赤ちゃんにとって大きなメリットがあります。「私の場合、無痛分娩にしても大丈夫?」など、少しでも不安なことがあれば、妊婦健診の際にどんなことでも遠慮なくご相談くださいね。
【監修】 医療法人育愛会 札幌東豊病院
札幌市東区の産婦人科 医療法人育愛会 札幌東豊病院です。 私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。妊娠・出産に関してのお困りごと、無痛分娩の選択に関するお悩みにつきましても、ぜひお気軽にご相談ください。
